有りそうで無かった理想の現実では考えられないような姿が見れます。
サンプルはモザイク加工と画質を下げておりますが本編はモザイク無し高画質となって
おります。

【妄想】逆さ撮りパンチラ051～060の総集編です。


僕はある日、何の前触れもなく、百貨店の家庭用品売り場に立っていた。
特別な用事があったわけじゃない。
ただその日、僕の心は静かで、静かなものに呼ばれていた。

彼女は、ストライプのワンピースを着て、携帯電話を耳に当てながら静かに歩いていた。白と灰の線が交互に並
ぶその布は、まるで春先の窓辺にかかったカーテンのようだった。彼女は電話の相手にほとんど話しかけず、
黙ったまま何かを確かめるように売り場を見渡していた。
何かを思い出そうとしているように。

少し離れたところに、グレーのストライプシャツを着て商品を選んでいる女性がいた。
彼女の指先は柔らかく、商品の表面に触れるたび、
何か音楽のような余韻が空間に漂った。
きっと彼女は誰かのいない食卓に、静かにパンを置く人だろう。
パンが焼ける香りで部屋を埋めて、
それでも満たされない空白のようなものを、いつまでも大事に抱いている。

ある場所では、ジャケットに水色のスカートを合わせた女性が、
スマートフォンを指先でなぞっていた。
画面の中には連絡先の消えたメッセージアプリと、
見返すことのない写真があったのかもしれない。
彼女の瞳には、まだ読み終えていない手紙のような、
言葉にならない感情が少し残っていた。

文庫本の棚の前にいたのは、柔らかなグレーのストライプスカートの女性だった。
彼女の横顔は美しくて、どこか寂しそうで、でも強かった。
たぶん彼女は、決して戻らない風景を心にしまっていて、
それを誰にも見せずに、折りたたんだまま鞄の奥にしまっている。
そうすることで、過去を守っているのだ。

ボーダーのカーディガンを羽織った女性は、
まるで時間の波に逆らわずに浮かんでいるようだった。
彼女は急がず、遅れもせず、きっといつも「ちょうどいい場所」にいる人なのだろう。
口数は少ないが、心の中には、誰にも知られない美しい文章がいくつも並んでいる。

またある場所では、赤いバッグを持った女性がいた。彼女の動きはゆるやかで、
でも何かしらの確信を持っていた。
たぶん彼女は、人生のなかで何度か「自分を手放す」ことを選んできた人だ。
そしてそのたびに、より強く静かな存在になってきたのだと思う。

黒いカーディガンを羽織った女性が、何かを手に取って、ふわりと微笑んだ。
その笑顔には特別な魔法がかかっていて、
見ている僕の心の一部が少しだけ軽くなった気がした。
彼女は、自分の悲しみを人に見せず、でもそれを誰かのために使うことができる人だった。
雨の日の帰り道に、彼女とすれ違ったら、きっと少しだけ世界が優しくなる。

黄色いワンピースと紫のバッグを持った女性は、
僕の前を通り過ぎたとき、一瞬だけ目が合った。
彼女の目はどこか遠くを見ていて、でも確かにこの世界に生きていた。
たぶん彼女は、人生のいくつかの分かれ道を、誰にも話さずに選び直してきた。
選ばなかった道の記憶さえも、彼女は静かに大切にしているのだろう。

そして最後に、紺のトップスに花のネックレスをつけた女性がいた。
彼女は静かに佇みながら、たたまれた布の山を見つめていた。
彼女はたぶん、自分の中に静かな図書館を持っている。
その本棚には誰にも貸さない本が並び、彼女だけがその物語を知っている。
そして彼女は、それで十分なのだ。

――僕がいたその売り場には、風が通り抜けていた。
彼女たちは何も語らず、音も立てずにそこにいて、
そして少しずつ消えていった。
まるで夢の断片のように。
だけど僕は、その一瞬一瞬を、今でもはっきりと覚えている。
なぜなら、あの午後の彼女たちは、静かに世界を回していたからだ。


枚数：50枚
サイズ：2458x1920(画像によりサイズ違いあり)